当世無職気質ー僻地ニート日誌ー

うつ病休職から退職、転職し、ヘロヘロになりながらもなんとか生きてるミドサーOL

ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』

だいぶご無沙汰しておりました。

webサイトを立ち上げたので(asakuno-lab)、

そちらに完全移行しようかとも思っていましたが、

こちらは書き続け、そのバックアップやアーカイブ、修正更新用としてwebサイトを活用していこうかと思っています。

 

さて、今回紹介するのは、こちらの本。

タイトルを見て、「胡散臭そう」と思われた人も多いのではないでしょうか。

(実際、知人の第一声がそれでした)

 

内容は、むしろ逆です。

「本を読んだ」とはどういうことか、という定義に始まり、

最終的には、読んでいない本について語ることは創造的な活動である、と結論づけています。

そして、その結論を論証する題材として、

古今東西の小説や映画に垣間見える「読んだ」「知っている」という状態について、

具体的に分析していきます。

ここが、めちゃくちゃ面白い。

単純な読書案内としてもとても面白いです。

(思わず検索して邦訳があるか確認してしまった本もあります)

 

さて、この本にここまで共感し、面白いと感じた理由ですが、

私は元々、研究者を目指して必死に本を読んでいた時期がありまして、

その際に「当然読んでいるはずの古典」やら、「読まなければいけない先行研究」に圧倒されて、自分を見失い、とても精神的に追い詰められた状況に陥っていました。

おそらく、同じような苦しい状況下で(読まなくてはいけない・理解しなくてはいけない膨大な書籍に押しつぶされそうになりながら)研究を続けている大学院生もとても多いのではないかと思います。

そういう人にこそ、読んで欲しい。

そして、肩の荷を少し軽くして欲しい。

 

この本では、

「読書義務」「通読義務」「本を語るには読んでいなければならない」

というタブー視されている主題の否定から始まります。

同じような読書論は本屋に行けば何種類も発見できますが、

このテーマだけに絞って定義付けをし、ここまで分析している本は

あまりないように思います。

 

「研究書を読んでいない」「研究書を正確に理解できていない」という

【やましさ】から、少しでも楽になれる大学院生が増えることを切に願います。

【読書】安部公房『カンガルー・ノート』(新潮文庫)

こんにちは。asakunoです。

今回は最近読んだ本の紹介を。

 

安部公房の『カンガルー・ノート』です。

カンガルー・ノート (新潮文庫)

カンガルー・ノート (新潮文庫)

 

 

前回、安部公房の『燃えつきた地図』を紹介したんですが、

その記事にも書いたように、同作はあまり安部公房らしくない気がして、

ちょっと物足りなさを感じていました。

asakuno.hatenablog.com

 そこで今回、表題の『カンガルー・ノート』を読んでみることに。

 

 

はい!!安部公房です!!!!

 

 

夢の中の世界をそのまま小説にしたような長編です。

いえ、もしかしたら作者が本当に見た夢を少し立体的にして作品にしたのではと。

解説にありますが、ドナルドキーンも同じ感想を抱いたようですね。

 

最初から最後まで、圧倒的に夢の世界のお話です。

ところでみなさんは、安部公房の作品を読んだ後、夢見は変わりませんか?

私は、安部公房の作品に影響されて、自分の夢がとても色鮮やかになる気がします。

 夢から夢へと、夢渡りをされている感覚になりますね。

 

本作品は、かいわれ大根のお話ですが(詳細はぜひ読んで確認してください)、

ラストシーンまで読んでスッと腹落ちする感覚もあり、

安部公房にあまり馴染みのない方にも読みやすいかもしれません。

 

作品のイメージカラーは、オレンジ色でしょうか。

 

なんとなくイメージで描いたらくがきを最後に載せておきます笑

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カンガルーノートのインスピレーション

 

生まれて初めて大腸内視鏡検査を受けてきました①

こんばんは。asakunoです。

今年の健康診断でひっかかって、大腸内視鏡検査を受けてまいりました。

これからカメラを大腸に入れる方の参考になればと思い、備忘録を記します。

※あくまでも私の体験談であり、医学的な専門知識に基づいて記載しているわけではありません。正確な情報は医療機関から入手してくださいね。

 

 

健康診断で引っかかってしまった・・・

そもそもどんな場合に大腸内視鏡検査になってしまうのか・・・

 

職場の健康診断、30代くらいから便検査が始まるところが多いですよね。

健康診断までに2回、採取を行うと思います。

 

それでね、普通は2回とも(−)マイナス反応なんですが、

私、片方が(+)プラスが出ちゃったんですよね。

 

つまり、2回のうち1回に潜血反応があった、ということです。

 

ちなみにこれ、定期健診ではなくて雇い入れ時健診だったのです。

・・・それをみた産業医の先生「大腸カメラやりましょうね」

 

ほかにも貧血がE判定だったので、万が一、

大腸に病変があった場合、それが原因で貧血になっている場合もあるわけです。

 

便潜血、痔を持っている場合にもプラス反応が出る様ですが、

大腸の潰瘍や癌、ポリープはもちろん、胃から大腸までの消化管のなかで、

どこかトラブルが起きている可能性を示唆しているわけですね。

 

で、怖いのが大腸ガンですが、大腸ガンになっていても、

自覚症状はなく、便検査でもマイナスしか出ないことも多いそうです。

 

だから、二回の便検査で一度でも陽性が出たら、大腸内視鏡カメラ必須。

 

うっぅっ胃カメラもやったことないのに、いきなり大腸カメラ・・・

 

 

検査当日まで

検査日が決まったところで、看護師さんから丁寧な説明を受けました。

まず、飲みにくくて大変なことで有名な「経口腸管洗浄剤」を渡されました。

 

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これを、検査当日の朝、2リットルのお水に溶かして、2時間かけて飲みきるそうです。

(飲みやすくするための甘いシロップも一緒に渡されました)

 

飲み始めて1時間経った頃から排便がはじまり、6〜10回ほど排便を繰り返すうちに、無色透明な水状の便になれば、検査前準備OK!!とのこと。

(説明書には写真も添付されてるんですが、さすがにupは控えます笑)

 

そのほか、下記のような食事制限がありました。

・当日の朝は絶食

・前日の夜は、消化の良いものを

・3日前から、海藻やきのこなど繊維質のものや、果物のタネなどは摂取しない

(いちごやキウイなどのタネは、消化が悪いので腸に残りやすいそうです)

 

私も、やんわりと3日前から気をつけはじめ、

前々日から、塩おにぎりや素麺、プレーンヨーグルトなど、

消化に悪そうなものをできるだけ避けて食事を選ぶようにしました。

 

そして検査当日!!

 

14時検査予約だったんですが、

8時から2時間かけて飲み始めよ、との指示。

 

朝起きて、腸管洗浄薬を2リットルの水に溶かし、スタンバイok!!

 

さっそくコップに注いで飲んでみます。

ポカリを薄くした様な変な味、とは聞いていましたが、

2リットルくらい、普通に飲めるだろうと思っていました。

 

【実際に飲んだ味の感想】

薄めたポカリとパスタの茹で汁を混ぜたかんじの味

 

おそらく、脱水症状を防ぐために、体のphを保つ成分も混ざってるんですよね。

糖分と塩分の微妙なバランス。

 

とても飲みにくいです!!

 

最初の2〜3杯は、アナフィラキシーショック対策のために、

10〜15分かけてゆっくり飲むようです。

アレルギー反応もないとわかったら、約10分間隔で1杯ずつのペース。

(この辺も、実際に飲まれる方は付属の説明書に従って服薬してください)

 

いや、そんなことより飲みにくいから!!

ごくごく、は無理!!!

3口飲んで休憩。3口飲んで休憩。を繰り返しました。

 

1リットルを過ぎたあたりから難易度が爆上がり!

 

とはいえ、薬なので我慢して飲みます。

スマホ見たり、部屋の掃除しながら気を紛らわせながら飲みます。

 

1リットルまでは、、、なんとか飲めた。。。

(それでも1時間はちょっと超えてしまっていた)

 

そろそろおなかがゴロゴロ来るかなと思いきや、

なかなかこないなぁ。。。(←個人差があるようです)

 

なんだかんだ1リットルもおなかに入れていると、

水っぱら感がひどいし、変な感じにおなか一杯だし。。。

 

そしてまだ・・・ボトルに1リットルも残っている・・・

 

この辺から、3口飲みが苦しくなってきます。

 

ひとくちを気合いで飲んで、、、

うぇっ・・・

(えづくまではいかないけど、むっとする感じに・・・)

 

この薬、薬ですから当然ですが、

お水以外の液体に溶かしたり、薄めたりしてはいけません。

溶かしきったのを確認してから、私は冷蔵庫で冷やしてみたりしましたが、

飲みやすさは若干マシになる程度。

 

病院でこの2リットルを飲む場合は、看護婦さんが厳密に時間を守って、

強制的に飲ませに来るらしいですが、

自宅で自分で飲むとなると、、

 

ついつい、ペースダウン・・・

(うぅ〜いやだなー)(ひとくちごくっ)(うえっ)

をゆるゆると繰り返します。

 

そのうち、ようやく来た!おなかのごろごろ!!

ここで一旦体に溜まった水分を排出!!

少し楽になります。

 

でも、、、

 

飲みにくさは変わらない。。。。

 

とにかく、飲み終わらなければ、どうにもならない・・・

飲まねば・・・ごくっ・・・・うぇっっ・・・

 

少したったらまたトイレ。

トイレの状態も確認するように指示を受けているので、ちゃんと見ます。

 

トイレ終わったらまた飲む・・・

ごくっ・・・うえぇっ・・・

 

そしてまたトイレ・・・

 

うぅ〜まだ500mlも残ってるよぉペットボトル1本だよぉ(泣

 

この辺りまでくると、とにかく薬を飲んで、水分を押し出して、って感じで、

体の中を水を通過させている感じになります。

 

トイレに行きますが、排便という感じではないです。

水がでます。いわゆる水様便とか下痢とは全然違うんですね。

 

トイレ行き過ぎてお尻ヒリヒリしてくるぅぅ

 

そしてまた、薬を飲む・・・

 

なんかんだで3時間弱くらいかかった気がします。

(↑だめな例です)

トイレも、事前に渡されていた説明書どおりにだいたいなって一安心。

 

気がつけばもうお昼です。

病院にいく準備を・・・

 

 

というところで、続きは次回へ。

 

 

 

 

【書評】安部公房『燃えつきた地図』(新潮文庫)

 

「誰だって、どんな健康な人間だって、自分の知っている場所以外のことなど、知っているわけがないのだ。誰だって、今のぼくと同じように、狭い既知の世界に閉じ込められていることに変りはないのだ。坂のカーブの手前、地下鉄の駅、コーヒー店、その三角形はなるほど狭い。狭すぎる。しかし、この三角形が、あと十倍にひろがったところで、それがどうしたというのだ。三角形が、十角形になったところで、何処がどう違うというのだ。」(pp.390)

 

 

こんにちは。asakunoです、今回は読んだ本の感想を。

燃えつきた地図 (新潮文庫)

燃えつきた地図 (新潮文庫)

 

安部公房の『燃えつきた地図』を読みました。

安部公房で最も有名なのは『砂の女』でしょうか。

あとは、『壁』『箱男』『他人の顔』なども知名度は高いかな。

(ちなみに私は、「水中都市」「デンドロカカリヤ」の2作品がとても好きです)

 

どの作品も、独特の作者の空想の世界に引きずり込まれるような印象がありましたが、

この作品は、そういう観点からいくと、かなり現実的な描写が多かったように思います。

 

文庫の裏側の解説には「現代の都会人の孤独と不安を鮮明に描いて、読者を強烈な不安に誘う」とありましたが、そこまでではないかなぁ。

(「水中都市」の方が、よっぽど強烈鮮明な現代社会の混沌を独特の筆致で描いているように感じますし。)

 

とはいえ、面白かったです。

長編なので、少し寝かせてまた再読したい。

 

「探偵小説」のような構成になっていますが、物語の核心とは関係のない、脇役?風景の一貫としての登場人物の描かれ方にも、かなり興味を惹かれます。

 

そして、印象に残る色の描写。

象徴的に繰り返し強調される色があって、まるで作品に横たわる基調色のように、読んでいる最中ずっと目の裏を支配されている感じになります。

 

田代君という、登場人物のセリフを終わりに替えて。

 

「ほら、あんなに沢山の人間が、たえまなく何処かに向って、歩いていくでしょう……みんな、それぞれ、何かしら目的を持っているんだ……ものすごい数の目的ですよね……だからぼくは、ここに坐って外を眺めるのが好きなんです……くよくよ、つまらないことを考えていたら、取り残されてしまうぞ、みんながああして、休みもせずに歩きつづけているのに、もしも自分に目的がなくなって、他人が歩くのを見ているだけの立場におかれたりしたら、どうするつもりなんだ……そう思っただけで、足元がすくんでしまう……なんだか、すごく侘しい、悲しいような気持ちになって……そして、どんなつまらない目的のためでもいい、とにかく歩いていられるのは幸福なんだってことを、しみじみと感じちゃうんだな……」(pp.294)

 

お絵かき_梅ミク

こんにちは。asakunoです。

ちょっと久しぶりの投稿ですね。

そしてまた、久しぶりに最近描いたイラストなどを。

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梅ミク

梅シロップを作ったりして、今年はなんだか(個人的に)梅に注目する機会が多くて、そういえば梅の実が熟した感じのグラデーションって綺麗だなぁと思ったので、なんとなくミクをカラーリングしてみました。

抗うつ剤の再開

どうにも体が動かなくて、

平日に2日半連続で休んでしまって、

その後の1週間は気合だけで頑張って仕事にいって、

その週末は二日間はほぼ飲まず食わずの寝たきりになり、

月曜も体が重くて全然動かなくて、

また病院に行ってきました。

 

心療内科は予約制だから、しんどい!と思って駆けこめるところではありません。

なので、とりあえず引越し後に見つけたかかりつけ医のもとへ。

 

前回も体調不良でちょっと診てもらっていたので、

そのときの採血の結果をきくのもかねて・・・

 

っていうかめちゃひどい貧血でした。

出産後の妊婦さんよりもずっと鉄欠乏。

 

とりあえず鉄剤が出されました。

3ヶ月後にまた再検査だって。

 

あと、抗うつ剤も、前の心療内科で出してもらっていたのを

少し出してもらいました。

 

断薬できていたつもりだけど、

やっぱり落ち込みが激しく・・・

飲んだ方がいい、との先生の判断。

 

あと、坐骨神経痛ね。

なんか、貧血と坐骨神経痛って、

多発性骨髄腫とかも気になってしまうんだけど、

血液検査で白血球とか血小板も見てるから大丈夫だよね・・・

 

こっちに引っ越してきて、

住環境は最高なのだけれど、

また人間関係でハズレくじを引いていて、

元同僚からも「ついてないね」とか

「そういう星の元に生まれている」とか言われちゃって、

 

けっこうボロボロです。

休職してた時の方が、当然体調は良かった。

 

このままいくとやばいなー、と思いながら、

どうしたらよいかもわからず、

とりあえず消日しています。

 

「死にたい」って思うときに、

死ぬことを考え続けるんじゃなくて、

「これは症状なんだ」って思えるように

なれたらいいよね。

 

梅シロップ完成♩ からのジャム作りまで✨

こんばんは、asakunoです。

先月から漬け込んでいた梅シロップがとうとう完成!

(冷蔵庫で冷やし中なので、まだ味見していませんw)

 

<前回までの経過>

asakuno.hatenablog.com

お酒で漬けていないので、

発酵やカビがちょっと心配だったんですが、

なんのトラブルもなく完成しました!!

 

(氷砂糖が溶け切った完成verがこちら!!)

 

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梅の実も、シワシワで出切ってしまったのもありますが、

まだふっくらが残っている実もありますね。

 

とりだしてみたら、こんなかんじ。

 

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梅シロップは、4倍希釈くらいで飲むようです。

移し替え保存容器は熱湯消毒済み。

せっかくここまでうまくいったので、痛ませたくないですからね。

 

さて、梅の実をどうしよう・・・

レシピを調べてみたところ、

甘露煮やジャムにできるようですね。

 

ただし注意点、

梅の実は強酸なので、金属のお鍋で煮詰めると、鍋を痛めてしまうらしいです。

 

うーーん。我が家、IHなので鍋が思い切り金属なのですよね。

梅ジャムのためにテフロンや葫蘆の鍋を買うのももったいないし・・・

 

というわけで、

 

ダメ元で耐熱容器✖️レンチンで梅ジャムチャレンジ!!

 

クックパッドでちらっと調べてみたら、なんだかできそうなよかん。

ダメ元なのでテキトーにゆるくやってみます。

 

 

レンジでなんちゃって梅ジャムの作りかた

①梅の実を耐熱容器に入れて、ラップをかけてレンチン4〜5分

②梅の実が柔らかくなるので、スプーンや箸でつぶしながら、中の種を取り除く。

(舌触りが気になる方は、ざるなどで濾すと良いと思います。)

③適当に砂糖をいれる。(梅の実の分量によります。)

④レンチン1分、砂糖とよく合わせて、味を見ながら砂糖を追加

⑤冷やして完成

 

見た目はあまりよくありませんが、これが、意外に、おいしい。

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ヨーグルトやクラッカーにのせたり、

炭酸水で割って飲んでも美味しいと思います。

 

長期保存したい方は、煮沸消毒したビンに詰め替えを。

 

 

 

梅シロップ&梅ジャムの味見レビューはまた次回にでも!!